こんにちは!タカヒロです(@kyohirofuku)
今回ご紹介するのは、作家、ブロガーの「はあちゅう」さんの作品『子供がずっとほしかった』だ。
これは彼女が、AV男優の夫と妊娠・出産を体験したときのことを赤裸々に語ったエッセイである。
この作品を手に取った理由は2つ。
一つ目は、私の子供と同じ時期に、はあちゅうさんの子供が生まれたので変な親近感があるということ。
二つ目は、私自身がはあちゅうさんの価値観というか考え方になるほどと思うことが多いからだ。
そのため、彼女のプロデュースする週末野心手帳を数年使っていたり、彼女のnoteを購読していたこともあった。
私が、はあちゅうのnoteを読んでいるのは、はたから見ると美人だし、本まで出してて、順風満帆やなあ!と思ってた人が実は、ゲロ吐きそうになるくらい自分と向き合って葛藤している様子に勇気もらえるからだ。
一年、やりきった|ha_chu| https://t.co/oFvMowHZC1— タカヒロ@ランニング×ブロガー (@kyohirofuku) August 26, 2016
12月になったので、#はあちゅう さんの週末野心手帳と自分への取材手帳を来年版にお引越し。一年経ったなあ、と思う儀式。記録することで自分の成長を認識できるということが、これらを使ってる大きな理由。#年末まであと少し pic.twitter.com/jzArm0yuEZ
— タカヒロ@ランニング×ブロガー (@kyohirofuku) December 1, 2019
そんな彼女が妊娠、出産する中でこの本の原稿が作られていることを彼女のSNSで知り、出版されたらぜひ読みたいと思っていたのだ。
ではここから『子供がずっとほしかった』の感想をシェアしたいと思う。
では、早速いってみよう!
『子供がずっとほしかった』の感想
初めての妊娠、出産をする方にオススメする本
基本的には妊娠・出産を経験する中でのはあちゅうの経験談がメインで書かれている。
はあちゅうさんのような発信力があり、言語化力の高い人間を通して、初めての妊娠、出産を経験する際に起こったこと、感じたことがどうなのか?をまとめた内容になっている。
妊娠、出産というある意味プライベートで外には積極的には知られたくないような身体の変化を発信している女性は少ないと思う。
そんな中、固い専門書ではなく実体験としてそのときの気持ちや感情をありのままに知ることができる。
よって、これから初めての妊娠、出産をする方の参考になる情報がたくさんあると思う。(精神的な面も含めて。)
私自身も妊娠、出産まで妻の話は聞いていたものの、体の細部の変化まで詳しく話していたかというと、そんなにできていなかったかと思う。
そういった観点からすると、この本を読むことで妻はこんなふうに苦しんでいたのか、ということを改めて感じることができた。
また退院前に子供に黄疸ができて、退院が伸びた状況とかは私の子供と同じだったので、改めて当時の様子を思い浮かべることができた。
価値観を学び、価値観と戦う
この本の中でのもう一つの学びのテーマは、価値観を学び、価値観と戦うことだ。
たとえば無痛分娩など「腹を痛めて産んだ子供じゃないと」という昔ながらのよくわからない精神論的な考えに対して異を唱えている。
普通という価値観は、自分がいた環境の平均値でしかない。
しかし人間の多くは、そんな普通の価値観に従うべきかと思ってしまう。
そんな中で、AV男優の夫との事実婚、出産、仕事との両立も含め、自分の進むべき道を普通という価値観に縛られずに、縛られながらもそれをほどきながら進んでいく。
たとえばこんな感じ。
以前、とあるお笑い芸人さんのラジオに出たときに、夫の仕事の話になり、その方が「普段、子供が『あの人のお父さん、お医者さんなんだって』とか『社長なんだって』というと、つい『すごいなぁ』と言ってしまいそうになる。でも、お医者さん=すごいという概念を子供に植え付けたら、それ以外の職業の人は、一段下がるのか。すごくないのか、という話になってくる」と言ってました。
職業に貴賤はないはずなのに、普段の何気ない一言で、世の中にはすごい人とすごくない人がいる、いい職業と悪い職業がある、となってしまうんです。誰かを褒めることは誰かを褒めないことになるんですよね。
私はこの文章を読んで、『ぼくはイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー』の本を読んだときのような読後感を覚えた。
その価値観って本当に正しいの?ということを突きつけられている感じ。
そういう面で、ハッとすることも多かったし、そんな、はあちゅうさんの考え方に触れ、少なくとも私は元気をもらうことができた。
また価値観が多様化する中、結婚・妊娠・出産というセンシティブな話題について自身の経験を(影響力のある、はあちゅうさんが)語るというのは、それだけの覚悟と強い意志が必要だったと思う。
それでも本という形で発信をしたのは、影響力のある彼女だからこそ、伝えるべきこと、伝えたいことがあったからだ。
少なくとも子供を持つ私にとってはこの数ヶ月で妻に起こった身体のことを理解することができたし、また自分自身の価値観の歪みについても気づかされることがあった。
この場を借りて、はあちゅうさんにお礼を申し上げたい。
タカヒロ的まとめ
いかがだっただろうか?
この本はもはや妊娠、出産体験記というよりかは、価値観をアップデートするための学びの一冊のような印象だ。
是非手に取って読んでみてほしい。
最後までお読みいただきありがとうございます。今日はこんな感じで!
『子供がずっとほしかった』(2020/5/23)★★★★☆