こんにちは!タカヒロです(@kyohirofuku)芥川賞受賞で何かと話題になった又吉直樹さんのデビュー作『花火』。その花火の次の作品が『劇場』です。1冊目より2冊目の方が世間の期待が高まっているのでプレッシャーも大きい中、又吉直樹さんが書き上げた作品です。NHKの又吉直樹さんのドキュメンタリーを観て、無性に読みたくなったので購入しました。
また、とある新聞で又吉直樹さんが言っていた言葉が非常に印象に残っています。「夜な夜な机に向かい、一人で文章を書くことはメチャメチャ苦しい。その結果、本が生まれる。ということは世にあふれる本の背表紙の数だけ人間の夜な夜な苦しんだ出来事が存在していたということだ。」そんな風にしてできた作品がいったいどのような文章なのか、という好奇心も今回購入を決めた理由です。
そこで、今回は又吉直樹さんの小説『劇場』のご紹介をしたいと思います。では、早速参りましょう〜
『劇場』のあらすじ
演劇の脚本や演じることそれ自体を職業とする主人公が東京で、とある女性に恋をして、自分の夢と女性との関係に苦しみながらも必死に生きていく様を描いた恋愛小説。
『劇場』の感想
主人公が関西弁ということもあり、どう読んでも主人公が又吉直樹として読んでしまいます。これって小説家にとっては損なのか得なのかよくわかりませんが。小説の中の光景が具体的に読者の頭の中に生まれやすい、という意味では得な気がしますが、毎回同じ主人公だったり、又吉直樹ような職業ではない人を題材にした小説とかだと、むしろ主人公のイメージは固定化されない方が良いのかもしれません。
今回の『劇場』の場合は演劇で生計を立てようと奮闘している主人公の話であったため、お笑いで芸人として生計を立てようとしていた経験のある又吉直樹さんと重なる部分もあり、違和感なく読み進めることができました。
『火花』の時もそうでしたが、芸人や役者などの成功できる人がほんのわずかな世界の中で、自分と葛藤しながら日々挑戦をし続けるという点においてはリアリティーがありグイグイ引き込まれる表現が多かったです。
『劇場』と瞑想との関係
私は最近、JINS MEME(ジンズミーム)を使って毎日瞑想をしています。その中に目の前の情景を具体的に言語化するというトレーニングがあります。今、まさにこの瞬間を大事にする特訓です。
そんなときに困るのが目の前の情景を言語化できないということです。これってどういう風に表現したらいいんだろう。。ということが多々あったんです。そんなときに、この『劇場』という小説を読んでいると、
「電源を切ったテレビの画面に暗く映っている」
など自分が言語化できなかった表現がドンドン出てくるではありませんか。小説を書く人はいかに情景を具体的に読者に伝える、想像してもらうかなので、目の前のことを具体的に表現することに命かけてるといっても過言ではありません。そういった何気ない表現に感激しながら読み進めることができました。
『劇場』は3ヶ月かけて読みました
今回の『劇場』は本を読み始めてから読み終わるまで3ヶ月ほどかかりました。というのも、本を長い時間かけて読むのがあまり得意ではないからです。なのでApple Watchのタイマー機能を使って毎日5分ほど読むことを3ヶ月ほど続けました。
本を読み終えた後は、3ヶ月の間の日課が無くなり少しさみしい気持ちになりましたが、また次の本を探そうと思います。(小説を読むのが嫌なのは、読んだ後の何とも言えない寂しさが嫌なんですよね。。日常にあるべきものが、無くなった喪失感というか、そういうさみしい気持ちがあまり好きではありません。)
タカヒロ的まとめ
いかがでしたでしょうか?『劇場』は、最近小説を読んだことがない人にも読みやすい恋愛小説です。そして何と言っても又吉直樹さんがどのような文章を書くのか?を自分で体感してみるのも良い経験になると思います。機会があれば是非是非、読んでみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございます。 今日はこんな感じで!
『劇場』(2017/5/12-8/12)★★★★☆
★★★★★ 近年有数の名作
★★★★☆ 見逃せない
★★★☆☆ 楽しめる
★★☆☆☆ それなりに楽しめる
★☆☆☆☆ オススメ