こんにちは!映画大好きタカヒロです(@kyohirofuku)
カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したフランスの映画『落下の解剖学』を鑑賞。
自分の今の生活(育児と仕事の両立)に直結する学びがある映画だった。
少しネタバレ含みながら、感想をシェアしようと思う。
(ネタバレしたくない方は、読まないでください。)
『落下の解剖学』のザックリとしたあらすじ
雪山の山荘に住む3人家族(父親、母親、視覚障害がある11歳の子供)
母親は小説家。父親は小説家志望の元教師。
その父親がある日、自宅から落下、死体で発見される。
他殺なのか自殺なのか?
謎が深まる中、裁判に突入していく。
『落下の解剖学』の感想
夫婦の口論がめちゃくちゃリアルでドキッとした
個人的に刺さったシーンが、夫婦の口論のシーン。
夫婦というものは、なかなか自分たちの人間臭い部分は表に出さない。
ましてや子供が絡むとなおさらだ。
そんな中、この映画でとある夫婦の口論の様子を見て、「あーこんな感じで夫婦ケンカするのって、全世界共通なんだな」と思った。
と同時に少し救われた気がした。
ケンカしたあとは、謎の罪悪感に駆られていたので。自分だけじゃねーんだなと。
とくに子供の世話してるから時間が無い、みたいなことを父親が言い放っていて、「俺の状況と似てる…」とめちゃくちゃ共感してしまった。
こういう他人の人生を垣間見る事ができるのも映画の醍醐味だなと。フィクションだけど。
それとともに夫婦も人間なので、常に絵に書いたようなクリーンな関係でもねーなと。なんか安心した。フィクションだけど。
解剖学の意味するところ
人間が判断するためには、判断する客観的な材料がいる。(主観的ではダメ)
材料が足りないときには、限られた材料で「決める」しかない。
裁判も私生活も仕事も主観であふれている。
それをいかに客観的に冷静に分析し、判断を下せるか。
腹をくくれるか。それは大人も子供も同じ。
そして裁判の結果は「それが真実であるかどうかは関係なく」心で受け止めるものなのだ。
そんな人生のある意味厳しさ、心理を教えてもらった。
夫婦の愛
子供が事故に会い視覚障害となった背景もさることながら、そんな中でも子どもに愛情を持って接し、苦しむ姿に親のリアルを垣間見た。
死んだ父親が、息子に命はいずれなくなるもんだと、その覚悟をしておけ、というようなセリフを言うシーンがある。
いなくなった人の言葉の思い出が子供に焼き付いている。自分もそんな思い出や話をいくつ残せるだろうと、思うと自然と涙腺が緩んだ。
子供がいるからこそ、単なる興味関心ではない「親目線」目線で作品を楽しむことができた。
子供を持つ親に見てほしい映画。
『落下の解剖学』(2024/3/5)★★★★☆@キノシネマみなとみらい 公開:2024年2月
★★★★★ 近年有数の名作
★★★★☆ 見逃せない
★★★☆☆ 楽しめる
★★☆☆☆ それなりに楽しめる
★☆☆☆☆ オススメしない
(おわり)